相談事例⑧|体重管理と腎臓にやさしい食事についてのお話。
- こたろうくん
- 柴犬
- オス
- 4歳(2020年12月時点)
- 健康的に体重を落とすための食事や工夫が知りたい(体重が増えてしまったため、かかりつけの病院の先生から6kg前半が理想であると言われた)。
- 腎臓に負担のかからない食事内容で栄養をとらせたい。
- フードに手作り食のトッピングをする場合の方法(量加減など)を知りたい。
今回は、柴犬こたろうくんのオーナーさんから、犬猫のごはんお悩み相談7日間コースへのお申し込みがありました。
こたろうくんはとくに腎臓病を患っているわけではありませんが、尿検査でいつもSDMA、BUN、クレアチニンの値が高く出ています。そのため、今後気をつけていくよう獣医師からアドバイスを受けているとのことでした。
どうやら数値が高い状態は、2018年頃からずっと続いているようで。
これといって腎臓に負担をかけるような食事や生活を続けてきたわけでもなく、年齢もまだ4歳。
水もまともに与えられない過酷な環境で育ってきたり、腎臓に負担をかける食事を続けてきたり、あるいは腎臓が弱くなってきてもおかしくない年齢に差し掛かっているなら分かるのですが、こたろうくんの場合はこれといって原因がありません。
オーナーさんも腎臓に負担をかけない食事については知識をお持ちだったので、日々食事に気をつけていたことはヒアリングの中でもよく伝わってきました。
なので可能性としては、先天的要因が高いのかなと。親・先祖の腎の働きがもともと弱く、その血がこたろうくんにも受け継がれている可能性があると考えました。
とはいっても、療法食へ切り替えたり、タンパク質を制限するほどひどい状態ではありません。
今の食生活を続けていると、慢性腎臓病になるリスクが高くなる可能性がありますよと注意報が出ている段階です。
なので日頃の食事の中でリンを多く含む食材を少し控え、体のめぐりを良くし、そして不要なものを体の外に出す食事を意識すること。
今のこたろうくんにはそのような食事が必要だと感じ、ヒアリングをもとに食材やごはんの内容をピックアップしました。
高タンパク質・高リン食を少し控えるだけでも腎臓にはやさしいですが、実は血のめぐりを良くする食事を心がけるのもとても大事なこと。
こたろうくんはクレアチニン値がずっと高めなので、血液中にクレアチニン(老廃物)が多く残りやすくなっている可能性があります。
筋肉量が多い若い犬であれば腎臓が悪くなくてもクレアチニン値が高く出ることもありますが、こたろうくんの場合はクレアチニン以外にもSDMAとBUNも高め。
かかりつけの病院からも今後気をつけていくよう言われているので、血液中に不要な物質が多く残らないよう体質を改善していく必要があると判断しました。
まずはちょっと増えすぎてしまった体重を6kg前半まで落としながら、腎臓に配慮した食事も意識していく。
ふだんはトッピング食に鶏ささみを使用しているとのことだったので、リンを多く含み過ぎないタンパク源や野菜などを使ってみるようリスト化しました。
ほかにも、体のめぐりを良くするために毎日適度なマッサージ(ブラッシング)や冷え対策、食材はなるべく季節のものをとり入れるようご案内しています。
ダイエットについては、今お使いいただいているフードの給与量の見直しや、6kg前半まで落とすまでの簡単なスケジュール(健康的に体重を減らすためのおおよその期間)を提示。
家庭環境の変化で散歩が少し減ってしまったとのことだったので、無理のない範囲で散歩の質を上げてみることも提案いたしました。
また、オーナーさんは手作り食も少しずつ取り入れていきたいお気持ちがあるので、こたろうくんに合った栄養素のバランスやタンパク源の量なども計算。
難しいときは市販のベースフードに頼ってみることも提案し、まずは週1~2回ほど手作り食の日をつくってみるようアドバイスいたしました。この時に、トッピングごはんにする場合の目安量も併せてご案内しています。
これから手作り食を始めようと思っている人、他にもきっとたくさんいらっしゃると思います。
手作り食は感覚を掴めるようになるとレシピ構成や準備がとてもスムーズになるので、まずは分量や作り方に少しずつ慣れてみましょう。
必ずしもスーパーに売っているお肉や野菜をそのまま使う必要はなく、時には乾燥食材やフリーズドライ食材、粉末にした野菜、パウチのお肉や魚などに頼ってみるのもいいですよ。
むしろそういったアイテムを上手に取り入れた方が、手作り食のハードルもグンと下がるのでおすすめです。食材の選択肢もいろいろ増やしてみましょう!
今回カウンセリングにお申込みいただいた柴犬こたろうくんのオーナーさんは、とてもしっかりとした考えを持っておられる方です。
こたろうくんにとってどんな選択をしたらいいのかをきちんと分かっていらっしゃるので、こちらの意見も取り入れながら上手に消化吸収されている印象でした(^^)
こたろうくんのオーナーさんなら、こたろうくんのダイエットや日々の食事管理もきっと問題ないだろう。そう確信しております。
また、分からないことがあれば何がどうわからないのかをちゃんと言葉で説明してくれる方だったので、こちらも回答しやすくて本当に助かりました。
ごはんのお悩み相談を明るい気持ちでやっていきたい私にとって、こたろうくんのオーナーさんとのカウンセリングはとても有意義なものになりました。この度は本当にありがとうございます!