相談事例③|野菜がそのままうんちと一緒に出てくるお話。
先日、このようなご相談をいただきました。
実はこのようなご相談、決して珍しくはありません。
むしろとても多いお悩み相談なので、今回ブログにまとめてみることにしました。
なぜ野菜がそのままうんちに出ることがあるのか?
この答えは明確で、食物繊維は犬の消化酵素で分解(消化)されないからです。
犬のみならず猫も同様で、私たち人間も食物繊維を消化吸収することはできません。
よって、もともと消化されない食材をそのままのカタチ(あるいは大きいカタチ)で与えてしまうと、うんちと一緒に出てきてしまいます。
じゃあ食物繊維は与えない方がいいの?
食物繊維は人・犬・猫の消化酵素で分解(消化)されませんが、消化管の健康を担う重要な役割をしています。
よって、まったく摂らないのは逆に消化管を不健康にするので注意しましょう。
適度に食物繊維を摂ることは消化管全体の健康を維持するほか、以下ようなメリットがあります。
- 有害物質の吸着と排泄
- 排便を促進
- 蠕動(ぜんどう)運動の活性化
- 腸内環境の適正化
- 満腹感を与える
- 血糖値のコントロール
- 病気の予防(大腸がん、便秘、高コレステロール、肥満、糖尿病、胆石、過敏性腸症、結腸憩室、クローン病など)
食物繊維は栄養素として吸収されませんが、実はこんなにも重要な役割を果たしているんですね。
食物繊維を摂らず、肉や魚ばかりを食べる生活をずっと続けていたらどうなるか…?だいたい想像がつくかと思います。
ただし!食物繊維なら何でも与えればいいというものではない。
食物繊維には
- 水溶性食物繊維→水を吸ってゲル状になる
- 不溶性食物繊維→水を吸って膨らむ
の2種類があります。
これら2種をバランスよく与えることが消化管の健康維持と理想的な排便につながり、偏った与え方は下痢や便秘の原因になることもあります。
水溶性食物繊維 | こんにゃく、海藻類、オーツ麦、大麦、きくいも、寒天、熟した果物、キャベツ、大根、ビーツ、舞茸など。 |
不溶性食物繊維 | 穀類、豆類、きのこ類、切り干し大根、ブロッコリー、とうもろこし、さつまいも、モロヘイヤ、ごぼう、にんじんなど。 |
下痢や便秘の原因はさまざまですが、もしかしたら食物繊維のバランスが関係しているときもあるかもしれませんね。
野菜を与える時は小さくカットあるいはペースト状に。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスに気をつけながら、手作り食で野菜類を使うときは以下の方法を取り入れてみましょう。
- フードプロセッサー等で細かくカットする。
- スロージューサーでペースト状にする。
- 根菜はすりおろしてみる。
- 茹でる・蒸す。
- 一度冷凍する。
- 発酵させる。
要は、野菜類の細胞壁(セルロース)を破壊してあげるのです。
そのままでは野菜類の細胞内の栄養(ビタミン、ミネラル、ファイトケミカルなど)を摂ることができませんから、栄養の吸収率を高めるためには細胞壁を壊す必要があります。
ちなみに、茹でたり蒸したりするときは大きめのカットでOKです。
OKなんですが、食べたものがそのままうんちと一緒に出てくることが多い場合は、調理した後に小さくカット、あるいは手ですり潰してあげてみてください。
とくに消化機能が低下しているシニア犬や闘病中の犬には、ゴロっと与えると胃腸に大きな負担をかけてしまうこともあります。
その都度カットしたりペースト状にするのが面倒な場合は、時間があるときに1週間分ほど作って、小分けにして冷凍保存しておくと便利ですよ。
パートナーの食事でお困りのことはありませんか?
パートナーの食事について何かお悩みがあれば、お気軽にhanamocoまでご相談ください。
こういう相談でもいいのかな?と不安に思われている方は、ぜひ一度お問い合わせいただければと思います。内容によっては、先に動物病院の受診をおすすめすることもあります。
ご相談のお申し込みは、hanamocoのInstagram公式アカウントをフォローのうえ、オンラインショップよりお申込みください。お待ちしております。